次の仕事は、ホンダNS400R 1985年式 V型3気筒です。
約8年間不動とのこと。
他店で数ヵ所相談されたようですが、
対応困難とのことで当店に来店頂きました。
正直、私もお断りしたかったのですが、
条件付きでの修理と言うことで対応させて頂くことにしました。
走行距離1350Km? 交換されてますね。
何故条件付きかと言いますと、
35年前の2スト3気筒の場合、
クランクシャフト間のオイルシール劣化により、
1次圧縮抜け(センターシール抜け)を起こしている可能性があります。
その場合、
エンジンをバラして内燃機屋さんでシャフトのシール交換をすると費用が20万以上となります。
そこまでやって本来の性能が出るか保証できないので、
キャブレターのOHのみ実施してエンジンが安定しなければ、
作業終了とさせて頂くことにしました。
因みにその他不具合は、
・前後ブレーキ固着
・フロントフォークオイル漏れ
・クラッチ貼り付き
・タンク内錆etc
では、
キャブレターの取り外しと思ったのですが、
日々の移動が面倒なので前後ブレーキのOHから、
ピストンが錆びて固着、錆を除去しました。
タンクを外すだけで、
キャブ取り外し可能と思ってましたが甘かった 😥
カウルを全て外さないと駄目でした。
隙間がなくキャブを抜くのは知恵の輪状態です。
インシュレーターにはひび割れが・・・
念の為に、
プラグスパークとコンプレッションを確認。
3気筒ともスパークOK、コンプレッションも10Kg/cm2あります。
流石レーサーレプリカ、圧縮が高い!
(黒文字がkg/cm2相当)
外したキャブレターはバルブが固着してます。
外観の汚れが気になるので、
常連さんから貰ったスチーム洗浄機をテストさせて頂くことに。
あかんやん!
CMでは台所の油汚れが簡単に除去と言ってますが 😥
時間が掛かるので灯油で洗浄。
まずはバルブの固着から、
ホットガンで温めて、
フロート内は想定していた通り、
全てのジェットが詰まってます。
パイロットジェットも温めないと外れません(´;ω;`)ウゥゥ
バルブシート内はコンパウンドで清掃。
メインジェット、パイロットジェット、チョークライン、
全ての詰まりを除去しました。
少し面倒でしたね 😉
次はインシュレーター、
暫定処置です。
正常に動くのであれば交換しましょう。
エンジンに取り付けました。
キャブレターは大丈夫と思いますがインシュレーターが不安です。
じゃーキックしますか 🙄
結論から言うと1次圧縮はOKと思います。
異音もなく電気系も大丈夫です。
でも、一度乗ってみないと詳細は判らないですね?
クラッチが貼り付いているので、
ここからどうするかお客様と相談させて頂くことにします。
お客様の了承を得たのでクラッチのOHを、
まずはドレンからオイルを抜きます。
エンジン下部をチェックしますがドレンボルトが見当たりません?
えぇ~、
チャンバーを外すと・・・作業性の悪い設計やな!
次はクラッチカバー、
ガスケットを温めプラハンで何度叩いて剥がれません。
レバーでこでるとカバーが割れそうです。
考えた結果、スライドハンマーで・・・
やっとクラッチと対面出来ました 🙂
固着の原因は錆びではなく長期不動によるオイル固着でした。
フリクションプレートの厚みは3.0mmです。
使用限度は2.5mmなのでこのまま使用します。
クラッチOH後、
ガスケットも高価なので自作です。
クラッチカバーは塗装が剥がれていたので再塗装しました。
試走するには冷却系が心配です。
サーモスタットを80℃の湯につけて開弁を確認。
開いてます 🙂
汚いのでブラストしました。
では走行確認を、
1つだけ問題有りです。
走行後、時々アイドリングが2000rpmより下がらない時があります。
少しエンジンをあおると下がるのですが?
2次エアーを吸ってる感じ、インシュレーターを交換すれば改善する”かも”です?
後、排気バルブが作動(7200rpm以上)するとモンスターでした 😈
それと燃費の悪さにもビックリ、0.5Lが走行5Kmで無くなりました。
さてどうしましょうか?
再度お客様と相談します。
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